2011年10月12日水曜日

書籍「社長がやるトップセールスの極意」のMSR流要約簡易版

「PFドラッカー365の金言」ばかりを継続していると飽きてしまいますので、ここらでチョッと別の書籍の要約をご紹介させて頂きます。
著者の田中道信 氏はリコーの販売体制を立て直して経営危機を乗り切り、その後は女性ファッション小売店の三愛の常務、社長を歴任され、現在は経営コンサルタントとしてご活躍されていらっしゃる方です。

(コメント)
いくつかの経験から、MSRとしては「(2)社長の内部への意識変革なしに全社展開なし」が特に重要と思いました。
社長がトップセールスを行い始めると、会社の欠点、社員の欠点がアカラサマに社長に分かるようになります。そして大半の社長は「どうしてうちの社員には・・・・がわからないのかナ?」と嘆き始め、怒鳴り始めてしまいます。しかし、この原因の大半が社長自身にあることが多いのです。
しかし、この時に古い格言にもあるように「過去と他人を変えることはできない。しかし、未来と自分を変えることはできる」と考え、まず社長自らがトップセールスから得たことを元にして変わっていくことが会社を良くする第一歩となります。

<要約本文>

(1) 社長は、今こそトップセールスに打って出よ !!
 これだけ変化が激しい時代になると、幹部の報告と結果数字だけで現状を掴むことはできない。報告書や数字では表れない微妙な変化・差が大変に重要となり、それは社長自らの五感で感じ取るしか方法は無い。

(2) 社長の内部への意識変革なしに、全社展開なし
 多くの社長には、会社の中での「自分の真の姿」が見えていない。自分で思っている社長像と、幹部や従業員の抱く社長像には大きなズレがあるのだ。そのため従業員は、社長の意図が分からず戸惑って、動くに動けない。そのため幹部が育たず、従業員が定着しない。中には裏切る者さえ出現する。これではトップセールスの成果を、すぐさま全社展開することなど不可能である。従業員のいだく「社長の実像」とのズレに気づき、社長自身の意識変革ができれば、あなたの会社は、ビックリするほど望ましい方向に変わっていくのである。
 まず社長が会社の外に出て、自らトップセールスすることによって、マーケットの最新動向と自社の対応とのズレ具合を具体的に知る「外の意識変革」をやる。ついで、会社の内部に目を向けて、自らの「態度能力」の再認識によって、従業員と社長との意識の違いや温度差を知り、自らの内部への意識を変えることによって、社内を結束させ外部変化に対応させる「内の意識変革」に結びつける。この2つの社長の意識改革によって、会社の全ての市場活動を、お客様に向けマーケット・インする強靭な会社組織に短期間で変貌させることが大切である。
 「人間一人が出来ることには限りがあります」。だから社長としてはトップセールスすることで得たものを社内に浸透させ組織として自律的に動く会社を創り上げることが必要ではないでしょうか?

(3) マーケティング理論とTQC理論
 自社を確実に「販売に強い会社」に変えるためには、マーケティング理論とTQC理論(総合的品質管理・・・社員間のバラツキやムラを無くする管理)を社長の武器とすべきである。
 社長は、この2つの経営理論を、誰でも理解できる、分かり易い言葉に置き換え、自社の現場・現実で必ず実践できるような具体的な知恵に変えて、社風や風土として定着するまで、しつこく使い続けていかなければならない。

(4) 売り切る精鋭軍団づくり
 どんな景況にあっても、モノを売り切って、望ましい利益を獲得するためには、自社の販売部門、販売ネット(代理店や卸問屋)、仕入先それぞれの「戦力測定」をして、現有戦力の本当の実力を掴み、粘り強く急所を強化し続け、自社を「販売に強い精鋭軍団」に確実に変えていくことが急がれる。同時に、社長は、軍団に「魂を注入する人」でなければならない。会社が一致して取り組む「魂の注入」なくして、軍団は思うように動かない。

以上の他に「販売の14則」と「経営の21則」が記載されています。
    書籍「社長がやるトップセールスの極意」 著者:田中道信  出版社:日本経営合理化協会出版局 より

0 件のコメント:

コメントを投稿