2011年10月5日水曜日

PFドラッカー365の金言より 53

(2)二番手戦略」では新しい製品やサービスを創造しない。誰かが創造したものを改善する。その一つが模倣である。だが顧客のニーズと欲求に、よりよく応えられるようにするが故に創造的である。こうして顧客の欲するものの創造に成功するならば、リーダーを追い越してリーダーの地位を獲得し、市場を支配することになる。
競争相手が行ったイノベーションを改善することが一番の早道である。

(コメント)
戦後から高度経済成長期の日本の産業のほとんどがこの戦略でした。米国企業が新規開発したものを日本企業が模倣して改良を加えて市場を占拠してしまう。いまのパナソニックも昔しマネシタと呼ばれていました。韓国のサムソンも日本企業の模倣をして世界一の家電メーカーに成長しました。
新製品開発に必要とされるコストと比較すると、確実に利益が確保しやすい戦略で、中小企業には一番適している戦略です。
この戦略は、経営コンサルの教科書にある「フォロアー」がとるべき戦略に酷似しています。
「真似る」を「パクル」と表現し卑下する傾向が日本人にはありますが、「学ぶとは真似ぶことから始まる」と言われるように非常に大切なことです。良いモノの真似することが成長の第一歩となります。子供も親の真似をすることで色々なことを覚えていきます。ただし、真似することを放っておくと、得てして悪いことを真似する性が人間にはあることも注意しなければなりませんが・・・・・。
また、「差別化が必要な時代」と言われ久しいものがあります。しかし、差別化で必要なとは、「一味違うたけや味噌」の発想です。二味も三味も違うと顧客は味噌として認めてくれません。普及させるのに時間がかかります。一流の料理人は素人と同じ材料を使っても抜群に美味しい料理をつくるそうです。材料は違っても調味料や熱加減が微妙に違うのです。実は、顧客に受け入れて貰いやすくするにはこの微妙さが大切なのです。
中小企業が成長する為には、模倣戦略をベースとして、顧客の立場に立ち、「一味違うたけや味噌」の発想で小さな差別化を心がけて力をつけていくことが必要です。

0 件のコメント:

コメントを投稿