2011年10月9日日曜日

PFドラッカー365の金言より 57

(本文)・・・今日は(4-2)専門技術戦略です。
ニッチ戦略の一つに「専門技術戦略」がある。
独自の専門技術さえあれば、競争を恐れることはない。そのためには、急成長している分野向けの専門技術の開発に力を入れることである。
大手自動車メーカーの名前を知らない人はいない。ところが、電気系統システムを供給する部品メーカーの名前を知っている人はほとんどいない。それら有名でない部品メーカーが専門技術のニッチを占拠している。彼らは、自動車産業において、いち早く専門技術を開発することによって早い時期に市場を獲得した。

(コメント)
トヨタ自動車を知らない日本人はいないと思います。しかし、その重要な部品を提供しているデンソーという会社を知っている人は少ないと思います。
電気のプラグ(差込口)を製造し、その市場を寡占している未来工業を知らない人も多いと思います。
道路の橋を工事するときに必要となる設計技術と部材を日本では2社が寡占している(実質的に地域独占)ことを知っている人も少ないと思います。
特殊な専門技術によって市場を占拠してしまうことは可能なことです。
私の顧問先でも、NECの機器と富士通の機器をうまく接続させる技術を持っている会社があります。これは明文化された技術ではありませんし、技術者が試行錯誤の末にできるようになった技術です。この技術が必要な工事にその技術がない他社が参入してきても、この会社は慌てることは無いのです。いずれ自社に下請発注してきますから、そのときには価格を譲歩することなく交渉することができるからです。

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