2011年10月6日木曜日

PFドラッカー365の金言より 54

(コメント)
今日は「柔道戦略」です・・・これは冒頭4つの戦略にはありませんでしたが、本文で記載されている戦略です。どちらかというと新規参入業者や一番企業を追い抜こうとしている二番手・三番手企業に向く戦略です。PFドラッカー先生も慶応大学在学中に「孫子の兵法(≒道教)」の考えを学ばれたらしい形跡を残す戦略です。

(本文)
(2-2')柔道戦略」とは競争相手の得意技を研究し、相手が手を抜いているところに自らの機会(チャンス)を発見していくことである。
事業において相手の行動はパターンしていることが多い。事業における柔道家は、リーダーの地位にある者の得意技に隙を見つける。
大昔、アメリカ企業は、高級品市場の利幅を狙って一般市場をなおざりにしていました。日本企業はこの隙を狙い、家庭用電子機器、工作機械、自動車、コピー機、ファックス市場でリーダーの地位を得た。日本企業はアメリカ企業が得意とするものの隙をついた。日本企業は低機能の一般普及品で成功し、そこで得た資金を使って、高級品市場に進出し、この2つの市場のいずれをも手に入れた。

(コメント)
これは新規参入するときの一つの戦略です。
まずは、低機能で低価格な低価格市場(Low Market)に参入して、色々な失敗を通じて本当の顧客ニーズを探り出して対応する。その過程を通じて、自社の技術レベルを上げていき、次第に上位市場に進出していくのです。
ただし、当初Low Marketに参入したときに、既存メーカーが①低価格だが品質が劣るとして無視してくれると良いのですが、②価格競争を挑み参入を阻止してくることもあります。
このときには持ちこたえる覚悟が必要です。
PFドラッカー先生は日本企業とアメリカ企業の事例を引用されていますが、最近では韓国や中国の企業の事例があります。韓国のサムソンという電気メーカーの製品は、15~16年前までは「安かろう」「悪かろう」でとても使えるシロモノではありませんでした。しかし、サムソンは今や低価格市場だけでなく普及品市場においては世界一の家電メーカーになっています。アメリカの自動車市場においてもトヨタやホンダは韓国の現代という会社にやられ始めているようです。

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