2011年10月25日火曜日

PFドラッカー365の金言より 73

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自らの強みは、フィードバック分析によって知ることができる。フィードバック分析とは
(1)何かすることを決めたならば、まず最初(やり出す前)に、何を期待するかを書き留める。
(2)9カ月後あるいは1年後に、その期待と実際の成果を照合・比較する。
(3)期待どおりの成果、期待を超える成果の記録から、2~3年もすれば、自らの「強み」を知ることができる。
こうして知った自らの強みを仕事と成果の向上に利用すれば良い。利用の仕方には5つの方法がある。
(a)「強み」に集中すること
(b)強みを更に伸ばすこと。新たに身につけるべき知識もあるであろう。
(c)「知的な傲慢」を矯正すること。強みを発揮するのを妨げているものを認識すること。そのうちの最悪のものが、他の分野の知識を軽く見ることである。
(d)悪癖や態度を改めること。それらのもののためにチームワークや協力を阻害してはならない。
(e)不得意であるが故に行ってはならないことを知ること
である。

(コメント)
フィードバック分析と聞くと、一歩後すだりしてしまいますが、なんということは無い「自分の当初の期待(値)を明確にして、数か月後に振り返り確認してみること」だとわかります。
しかし、自分の当初の期待(値)を実行している間に忘れたり、妥協したり、曖昧になったりしてしまうことが多いのが人間の性のようです。
従って、メモに書き留める習慣をつけることが大切です。そして、全てのことを1年に1回は当初の期待(値)と照らし合わせて、予期しなかった成功や失敗を見つけ出し、その中から自らの「強み」を発見(気付く)するよう努力することが大切です。私はお正月に確定申告の処理をしながら昨年を振り返り、これをするように心がけています。

また、自らの「強み」を活用する方法も考えることが必要です。
私は47歳のときに、経営していた会社が倒産させてしまい、全財産を失い、(自己破産しなかったので)借金まで残ってしまいました。この状況下で、実姉が惜しみなく協力してくれて、まずはゆっくりと1カ月間ほど休養(ほとんど寝ていたそうです)することができました。そして、この休養の最中に、自らと家族の将来を考えドラッカー先生の上記の言葉を無意識のうちに思い出しました。そして、
①自らの「強み」に集中すること
②「強み」を更に伸ばすこと
③他の分野の知識を蔑ろにしないこと
④自らの悪癖を治すこと
⑤不得意であるが故に「行ってはならないこと」に気づくこと
が大切であるということを思いだし、自らの強みに集中するため国家資格である社会保険労務士にチャレンジすることにしました。
そうすると不思議なもので、生活は苦しかったのですが、法律を大の苦手と思っていた自分を助けてくれる人が現れたり、社労士となれてから特定社労士という新たな資格が設けられたり、これからの社労士は事務代行ではなくコンサルティング業務中心で行うことが必要であると言われたりし始め、自分がやりたかったコンサル活動に追い風が吹き始めました。
そして、その上で今でも意識していることは③と⑤です。③には謙虚な気持ちで臨み、⑤には自らの修行のつもりで習得できるように努力(チャレンジ)するようにしています。こうすることで、自らが狭い専門分野の枠の中に閉じこもることを防ぎ、より一層、顧客の要望に応えられるようになりたいと考えています。ただし、不得意の分野に関しては、方向性を示すに留まり詳細までは介入しないように注意しています。

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