2011年10月20日木曜日

PFドラッカー365の金言より 68

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腐った強い者ほど、組織を腐らせる者はいない。
人事に秀でた者は、人事を工夫する。期待すべき「貢献」を考え、実際の貢献と比較する。
人事考課のために4つの問いを投げかける。
①よくやった仕事は何か?
②良くできそうな仕事は何か? <・・・ ①よくやった仕事から推測する。 ③その者の「強み」を十二分に発揮させるには何を身につけさせなければならないか? ④その者の下で我が子を働かせたたいか? である。 強みに直接関係のない考課項目は④だけである。 優秀な若者は強い上司を真似たがる。従って、腐った強い者ほど組織を腐らせる者はいない。これは、それだけで人を失格にする唯一の弱みである。


(コメント)
 いま私は、給与体系の洗い直し作業を受託し、その中で人事考課をどのようにするのかが重要なテーマとなっています。これは、各社とも永年の課題となっていることです。会社組織の中の人の価値観は変わらなくとも、環境と社会通念(常識)が変わりますから、未来永劫有効な人事考課制度などあり得ないのです。
 しかし、その中にあって、PFドラッカー先生は「いかなるときにも共通する価値判断基準」を示されていると考えます。
 また、私は仕事柄、労基法や安衛法を中心として各企業がより良い会社になって頂くための相談・指導・助言を行っています。このときに「そんなことは実務では出来ない」「そんな業界慣習はない」「そんなことをしていたら商売にならない」等と自らの単なる思い込みで、社長やベテラン社員から反発を受けることは頻繁にあります。しかし、法律で定められていることだから従わざるを得ません。このようなときに、即座に無理やりやって頂いてもその場限りで終わることがほとんどですから、時間がかかっても粘り腰でその人達の意識を変えていくことにしています。
 このようなとき、私が痛感するのが「腐った強い者ほど会社を腐らせる」という事実です。
どうしても意識改革でできない人の場合には、何かの重大事故を体験すること(意識変革の機が到来する)で価値観を変革するしかなくなります。
 そして、このようなときに「法律で定められた義務だから、何とか知恵を働かせて、出来る方法を考えよう」とする人は必ず成長されます。私も、法律だからと押し付けるのではなく、一緒に知恵を絞ります。そして後日に会社の人から「お蔭様で良い会社になることが出来ました」と感謝されます。
 人間は歳を取ると、また経験を積んでいくと、頑固になっていくといいますが、環境が大きくかつ激しく変わっている現況では、出来る限り柔軟な考え方を持ちたいものです。少なくとも「聞く、聴く、訊く」の姿勢が必要と思います。

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