2011年10月4日火曜日

PFドラッカー365の金言より 52

(コメント)
昨日のブログで予告しましたPFドラッカー先生が唱えるイノベーションを成功させるための戦略①総力戦略、②二番手戦略、③価格戦略、④ニッチ戦略について数日ブログにしますが、経営コンサルの教科書にある(a)リーダー戦略、(b)チャレンジャー戦略、(c)フォロワー戦略、(d)ニッチャー戦略と比較されると面白いと思います。似てる点が多々ありますが、微妙に違う点もあります。

(本文)・・・・・今日は「(1)総力戦略」です!!
企業家は全ての経営資源を一点に集中させ、勝利を得ることでトップの座を得ようとする。成功すればトップの地位を得、失敗すれば何も得られない。最初から的確に行動しなければならない。さもなければ失敗する。しかも成功は十に一つである。成功すれば膨大な収穫を得ることができる。
この戦略には特有のリスクがある。成功した後でさえ、もう一つの戦略である「二番手戦略」を使う後発組に脅かされる。

(コメント)
総力戦略は非常にリスクが高い戦略だと言えます。企業の従業員の生活や顧客・株主・仕入先に対する責任を持つ経営者としては、できれば避けたい戦略です。
しかし、競争が激化した現代が「集中と選択の時代」と言われるように、企業として生き延びるためには経営資源を集中して他企業と差別化を図る必要があります。
有名な事例としては、シャープしかり(総合家電から液晶画面)、アップルしかり(パソコンからスマートフォン)、任天堂・ソニーしかり(総合娯楽器具・総合家電からゲーム)等です。総力戦略の典型的事例は、日露戦争のときの日本海海戦ではないでしょうか? このとき旗艦から「興国の荒廃、この一戦にあり」として、アルファベットの最後の文字「Z」旗が掲げられ「後が無いこと」を各艦に徹底させたそうです。
ただ、この戦略はリスクが非常に高いという問題点を抱えています。
そのため「仮説→検証→実行」のサイクルを「迅速に」回し続けることが必要となります。自らの予測を元に仮説をたててテストして、テスト結果が良ければ一機に集中的に展開していくことです。そして、展開途中ででも「無駄だ!! 無理だ!! 」と判断されたら容赦なく引き返すことが必要となります(損切り)。ここでは更なる「迅速さ」が要求されます。
ですから、別の章でPFドラッカー先生は、「新しいことにチャレンジしようとするときには、予めタイムリミットと目標を明確に定め、更に途中目標(メルクマール)も定めて、都度確認チェックしていくことが必要である。もうチョッと我慢すれば・・・等と拘り続けず、計画的に廃棄することが必要である」と説かれています。
因みに、戦国時代を平定した織田信長の勝ち戦は良く知られている処ですが、信長は負け戦の時には撤退が早かったと書籍で読みました。
なお、この体制が維持できるためには「普段」が大切です。普段から会社組織が俊敏・機敏に動ける体質を創り上げておく必要があります。

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