2011年10月29日土曜日

PFドラッカー365の金言より 77

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ほとんどの人に上司がいる。
1年に1度は、自分がその上司の役に立っていることは何か、邪魔になっていることは何かを聞く。
あなたの仕事は、上司がそれぞれの仕事のやり方によって成果をあげられるようにすることである。上司の強みを発揮させ、弱みを意味なくさせることによって、彼らが縦横無尽に働けるようにすることである。
昇進を重ねる有能な上司ほどありがたい存在はない。

(コメント)
これは「上司にゴマを擦れ」と勧めている訳ではありません。
「上司に貢献することで初めて自らが上司から認める」と説いているのだと思います。
その為には、自分の仕事のやり方がどうであれ、また自分の考え方がどうであれ、上司が上司の強みを発揮でき、弱みを補うことが出来見ように、自らの強みを発揮することが大切であると説いているのではないでしょう?
そうすれば、上司から認められ、上司との間で本当の意味での「人脈」が出来上がり、いずれは引っ張ってくれる(=「この仕事をするなら彼しかいない」と他人に勧めてくれる)ことになると勧めているのではないでしょうか?
「引っ張ってくれる」とは「昇進させてくれる」とか「昇給させてくれる」という狭い意味ではなく、「仕事の報酬は仕事(先生の別の書籍に記載されています)」という意味だと思います。良い仕事を行ったならば、次の良い仕事が与えられ、その結果、自分のキャリアを創ることができるようになります。そしてキャリアができてくると、おのずから実力と自信が伴い、かつ信頼されるようになってきて、気付いたら昇進・昇格または昇給していたということになります。
社長にも上司はいます。株主や顧客です。この人達に如何にして「貢献」するかによって、社長も報酬が増えたり、企業規模が大きくなっていったり、次なる必要資金が得られるようになります。とすると、ほとんどの人に広義の上司がいるのではないでしょうか?
それなのに、「自分の上司は・・・だから駄目だ」等と批評家になっていては昇進・昇格や昇給はおろか認められることもありません。上司の欠点を補い、上司が長所を縦横無尽に発揮できるようにすることが必要です。
自動車メーカーのホンダの創業者である本田総一郎さまは欠点が沢山あった方だそうです。しかし、有名な右腕となる方(お名前は忘れました)がいて、その欠点を補い本田さまの長所を活かすことで名も無き後発のホンダが今のように大きくなれることができたと聞いています。今年10月上旬にテレビ放映された松下電器の松下幸之助さまの奥様の物語もそれを語っているのではないでしょうか?
上司の欠点は「批判するもの」ではなく、「補うこと」が部下の職責だと考えます。
しかし、職務給制度が普及しているアメリカ人で、しかも階層社会と言われる元欧米人のPFドラッカー先生がこのような発想をされることは驚きに値します。日本の慶応義塾大学在学中に東洋思想の影響をかなり受けられたのではないでしょうか?

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