2011年10月28日金曜日

PFドラッカー365の金言より 76

(注釈)
組織は信頼によって成立し、信頼はコミュニケーションと相互理解によって成立する。

<<本文>>
自らの強み、仕事のやり方、価値観とともに、共に働く者全員の強み、仕事のやり方、価値観が重要な意味を持つ。あらゆる者が個性を持ち、大きな違いをもつ。
しかし、違いは問題ではない(=違うということが問題なのではない)。集団としての仕事ぶり(成果)は、一人ひとりの仕事ぶりによって規定される。従って、一人ひとりの強み、仕事のやり方、価値観を生かさなければならない。
(そのため、組織が成果を挙げるためには)自らの強み、仕事のやり方、価値観、果たすべき役割を知ったならば、それを誰に知らせるかを考えることが必要である。あなたを頼っている人達、頼られている人達が、あなたについての情報をもたなければならない。従って、それらの人々とのコミュニケーションが大事となる。

(コメント)
自らの「強み」を活かすために「自らの強みを知れ」とよく言われます。しかし、自らの強みを知っても、自分だけが知っているだけでは余り意味がありません。共に働く人達に知ってもらうこと、また逆にそれらの人々の強みを知ることが、組織・チームとして良い成果を挙げるためには必要なことです。そのためには、普段からのコミュニケーションが欠かせません。
最近、企業からのご相談で「うつ病」などの精神疾病に罹った従業員対策が急増してきました。お伺いして色々なことをお聴きしますが、大半の場合は社内の普段のコミュニケーションに原因があります。精神疾病に罹った従業員さんは社内で孤立化していることが多いのです。酷い時には、会社ではほとんど話しをすることがなく(PCや機械に向かって黙々と作業をしている)、家に帰っても個室に入っ放しで家族とも話しをせず、まるで昔し歌にあった「東京砂漠」の状態であることがあります(こんな古い歌を知っている人はいないかもしれませんが・・・)。こんなとき、従業員本人から色々とお話しお聴き(聞くではない)すると、大変本人から喜ばれ頼りにされます。昔しお手伝いした若い人は「おじちゃん」と言って懐いてくれ、親にも相談できないことを相談してきました。
そこで会社には飲ミニケーションやレクレーション或いはコーヒーブレイクタイム(3時のおやつタイム)を設けザックバランなコミュニケーションを図るようにお勧めします。
また、人間には「山(長所や得意分野)もあれば谷(欠点や不得意分野)もあります」。PFドラッカー先生の別の本の中にその事例は沢山記載されていますが、『大きな山(長所)を持つ人間には大きな谷(欠点)がある』と先生は言われ、それを上司がいかに使いこなすかが大切であると説かれています。普段のコミュニケーションを通じて、その人の長所に上司が気づき、組織・チームが良い成果を果たせるようにその人の長所を活かせるように上司がその人を使うよう心がけることが肝要です。
その結果として相互に信頼関係が生まれてきます。
若い従業員さんにストレートに「あなたの強みは? 仕事のやり方は? 価値観は?」などと訊くと「そんなのワカラン!! 話しが重い!! 」と言われ逃げられてしまいますから、雑談の中から、その人が興味を持っている事や過去の成功談や失敗談を訊き出すことで、その人の強み・仕事のやり方・ものの考え方・価値観等を類推していき、その強みや自信を仕事で発揮できるようにすることが上司の役割の一つではないでしょうか?
卑近な例ですが、私自信も色々な「強み」と「弱み」を持ちます。しかし、顧問先でもそれを知らない先は沢山あります。ましてや顧問先以外の人にそれが解らないのは当然のことです。普段は役所への諸届だけを代行しているある顧問先で従業員さんと紛争が発生したときに「誰に相談したらよいか?」と相談をうけたこともあります。そのとき「私は特定社労士の資格をもっていますから、他企業では普段からその手伝いをしています」とお伝えすると吃驚され直ぐに相談され始めたことが何回もあります。昨日は給与体系の再検討の件で、同様の体験をしました。
私がどんな資格をもっていても、またどんなにその仕事をしていても、他の人にはわからないのです。ホームページに私の仕事の概要と略歴は掲載していますが、それを見てくれていると思うのは自らに対する甘えの心だと反省する次第です。ただし、初めてお会いする人には予め私のホームページを見てくださるようにご依頼はしているのですが・・・・・!! 
因みに、今日は建設業法に関して国交省から指導をうけた建設業を営む企業の会議に出席します。数年前になりますが、薬事法に関して広島県の薬事課と法的確認を行ったこともあります。このようなことは余り詳細にホームページやブログに記載すると守秘義務違反とも成りかねませんので記載できません。
そのため親しくなった顧問先の中には「何かわからないことがあったら村上社労士に訊け」と指示を社長さんが出されている場合が多々あります。多分、「村上は出ベソで色々なことに興味を持ち逃げないから、解決するために助力してくれるか、解決する糸口やルートを見つけ出してくれる」と期待されているのでのであろうと考えて、その信頼を裏切らないためにこのようなご相談にも応じるようにしています。
しかし、私の方から「こんなことができます」「こんなことが得意です」と言い出すことは苦手ですが・・・!!
そのため、先生の指摘されるように「普段からのコミュニケーション」の大切さを痛感しています。

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