2011年10月19日水曜日

PFドラッカー365の金言より 67

<本文>
成果をあげる人は、貢献に焦点を合わせる。
しかし、圧倒的に多くの人たちが、成果ではなく自らの努力に焦点を合わせている。組織や上司がやるべきことや、自らがもつべき権限を気にする。その結果、成果をあげられないでいる。
これに対し、成果をあげる人は「貢献」に焦点を合わせる。外の目標に目を向ける。組織全体の成果に対して如何なる貢献を行うかを考える。責任(役割)を重視する。


(コメント)
日本人の特徴として、成果よりも(努力)プロセスを重視する傾向が強いと言われています。
しかし、成果をあげるためには、顧客(会社の外の世界)や会社全体の成果に自らが如何に貢献するかが大切であり、自らの努力・プロセスが顧客や会社全体の成果に貢献し得ないものであるならば、その努力・プロセスは評価されるものではありません。
従って、先生は「良い成果をあげるためには、顧客や会社全体に対して如何に『貢献するか』を考えること」が大切であると言われています。
こんな逸話があります。私のような特定社会保険労務士は、会社と従業員さんとのトラブル解決を依頼されることがあるのですが、ある事件である社労士が紛争を解決して会社から従業員に和解金100万円を支払ってもらった処、その従業員さんから「なんてことをしてくれてしまったんだ!!永年お世話になった社長さんに対して申し訳ないじゃあないか!!私はただ社長さんに謝って貰いたかっただけだったのに!!」とクレームをつけられたそうです。この社労士の努力は成果(顧客の期待に応える)をあげることができなかったのです。この社労士は、「争いに勝つ」という自らの努力・プロセスだけを重視して、依頼人である従業員さんの期待する成果をあげることができなかったのです。
別の事例ですが、ある会社(建設会社)で民間マンションの建築受託営業を徹底的に行う営業方針を立てました。このとき、ある従業員だけは官公庁からの土木建築の受託営業に力を入れ、会社の営業方針である民間マンションの受託営業を全く行おうとしません。このときは、若干ながら官公庁からも土木建築を受託することがてきましたが、官公庁の土木建築を受託するために必要な資料や事後に必要となる書類と民間マンション建築を受託するために必要となる資料や書類とでは全く異なりますから、この従業員のために他の従業員も協力せざるを得なく、会社全体のパワーを民間マンションの受託営業活動に集中できなくなりました。この場合、この従業員を如何に評価するかが大切な処です。もし、この従業員が「会社全体に貢献する」という意識を持っていたら、官公庁工事の受託営業を行うとしても、民間マンション建築の受託営業を主としていた筈です。こうすれば会社全体の持つパワーを集中させることが出来て、もっと良い成果が得られていたかもしれません。この営業マンは「官公庁工事の受託による売り上げ増」ということで会社に貢献したかも知れませんが、少なくとも「会社全体のパワーを集結させて民間マンション建築を受託する」という全社方針の足を引っ張っていたことは事実です。自分一人の成果を考えるのではなく、会社全体の成果を考え、それに貢献する意識を持つことが大切であるとPFドラッカー先生は説かれています。

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