2011年10月11日火曜日

PFドラッカー365の金言より 60

(本文)
「その後、〇〇〇は、幸せに暮らしました」で終わるのはおとぎ話だけである。
成功は常に、その成功をもたらした行動を陳腐化する。新しい現実をつくりだす。新しい問題をつくりだす。
成功しているマネジメントが、自らの事業は何かを問い直すことは容易ではない。彼らは、その議論の余地は無いとする。けちをつけることを好まず、ボートを揺らすことを好まない。つまるところ傲慢であって、怠慢である。こうなると成功が失敗に終わる日は近い。
1920年代にアメリカで最も繁栄していた産業が「炭鉱」と「鉄道」であった。いずれも、神が与えてくれたものと考えていた。事業が余りにも明白であって、考える必要もないと思っていた。


(コメント)
1920年代の「炭鉱」が自社の事業目的は「エネルギー源の供給」と捉えていたら、当時保有していた膨大な資金と人材を元にして「石油産業」「電気・ガス産業」等に進出して、その後衰退することは無かったと思います。
同じく「鉄道」が「快適な移動手段の提供」と捉えていたら、自動車産業や航空機産業(場合によっては「電話」や「インターネット」)にも進出していたであろうと考えます。
しかし、彼らは傲慢と怠慢により、それ(事業の定義を考えることなく、今の産業にしがみついた)をしなかった
結果、衰退してしまいました。
あることで成功すると当事者は回りが見えなくなってしまうことが多いようです。しかし、利用者は暫らくすると、その「あること」にも慣れ次の欲求が生まれ始めます。また成功すればするほど競合会社も参入してきます。このとき、自らの事業目的(利用者・顧客に何を提供しているのか)を一段上の目線からとらえて、次の事業のための投資を始めることが必要となります。
会社事業にはライフサイクルがあると言われています。一つの事業に専念ばかりしていると、いずれは衰退してしまうのです。ベンチャービジネスの人が失敗する二番目に多い原因はここにあります。一つの事業が成功したら満足してしまい、次のビジネスを育てる努力を忘れてしまうのです。成功するためには専念することが必要ですが、ある段階になると次の事業を育成し始めることが必要です。このとき、無軌道な事業の拡散とならないために、「自社の事業目的」を明確にしておくことが大切です。
その意味で、「その後、シンデレラは幸せに暮らしました」というのはおとぎ話だけの世界の話しだと先生は言われているのです。
しかし、日本の「桃太郎」はその後どうなったのでしょうかネ????? 桃太郎侍になり修行を重ねていったのかナ?

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